ヨッピーの本「明日クビになっても大丈夫!」の感想を書いてみる

ヨッピーの本「明日クビになっても大丈夫!」を渋谷のジュンク堂で立ち読みして帰ろうと思ったんだけど、閉店時間になってしまったのと、思ったより面白かったので感想文書いてみることにしました。

ヨッピーは自分の本をトヨタの社員に読んで欲しいらしい

ヨッピーの本を読んでいて気になってしまった一文が。

トヨタの正社員」と言うと「ヒュー!安定!一生食いっぱぐれないね!」みたいな印象を受けるかと思います。実際、トヨタの正社員の人で「ウチの会社大丈夫かな……」なんて思ってる人はあんまりいないでしょう。就職人気だって高い。たぶん、トヨタの社員の人はこの本を読むターゲットから外れてるんだと思いますが、実はそうでもないのにな、と僕は思うわけです。僕はトヨタの社員にこそこの本を読んで欲しい。

とまあ、自動運転と電気自動車の時代が来るからトヨタはやばいよ、みたいな話に続くわけですが、そう言えばはてブによく上がってくる記事書いている人でトヨタの社員いなかったっけ?ヒトデ祭りの人?この文はヒトデの人に読んで欲しいってメッセージなのかね?でも、あの人は既にこの本で書かれているように、副業から初めて、稼ぎまくって独立しているわけだから、そういう意味で言うと読む必要はないような気もするけど…。

 

ヨッピーの本によると、ヨッピーの年収は1500万円前後らしい

ヨッピーって、今まで自分の年収に関することはふわっとはぐらかしている感じだったと記憶しているのだけど、著書の「明日クビになっても大丈夫!」の中で、推定できるような情報を書いているのが面白かった。

例えば僕がサラリーマンを辞めてすぐの頃の、ライターとしての月収は4万円である。4万円て。高校生のバイト代かよ。ちなみにサラリーマン時代の年収は600万円くらいはあったので、単純計算で収入が12分の1に激減した計算になる。

という記述と、

今ではもう6年目になるのだけど、収入に関して言えばずっと右肩上がりで下がった事がない。ぶっちゃけサラリーマン時代の倍以上の収入である。

という記述と、

額面収入がサラリーマン時代以上で、その上「経費」みたいなものが加わってくると体感的にはもっと収入が増えたような感覚である。経費もひっくるめて「手元から出ていくお金」って考えるとサラリーマン時代の3倍くらいになってるんじゃないか。

という記述を踏まえると、ヨッピーの額面収入は600万円の2倍以上、3倍未満と読めるので、1200万円~1800万円の間、ということになる。

 

多分、ここだけ見ると、トップクラスのWEBライターでもその程度ってがっかりする人もいるかも知れないのだけど、この人、お金にそんなにこだわっている感じがしない。つまり余力を残しまくった状態でそれくらいの稼ぎ、という感じだ。

なんでそう思うかというと、手取り減らしてでも記事のクオリティを上げようと平気でしようとするみたいだし、この本の印税に関してもユーザーにパーっと使う気みたいだし、彼の優先順位は完全に、ユーザー(の信用・支持)>>>>>>お金、となっていることは、この本や、今まで書いてきた記事のスタンスを見るとよくわかるので、全然お金を稼ぐことには最適化されてないよなー、というのはイケダハヤトやホリエモンと比較すると感じるからである。

 

会社を辞めてもいい三つの条件の「副業で月10万以上稼ぐ」ってきつすぎないか?

ヨッピーは、著書「明日クビになっても大丈夫!」の中で、会社を辞めてもいい三つの条件として、

・会社員をしながら、副業で月に10万円以上稼いでいること

・1年間生活できるだけの貯金がある事

・身軽になる事(家賃等の固定費を削る)

ことを挙げているけど、これ、土日だけで10万稼ぐって相当きつくないかね?学生時代を思い出すと、1日のアルバイトで稼いでいたのって1万円くらいだから、それ以上稼がないと月10万円は達成できないってことでしょ?

これができるのって、相当才能がある一部の人に限られるんじゃないかなと個人的には思うな。

「生産する趣味と消費する趣味の違い」と「情報は発信する場所に集まってくる」

このヨッピーの本で今まで書いていた「副業から始めよう」的な主張は、他の自己啓発系の本でもどこかで見たような話ではあるが、この本の独自の主張と言えるのはこの部分かなあと思う。

ここで僕が勝手に定義づけた二つの趣味について書こうと思う。大雑把に分けて「生産する趣味」と「消費する趣味」だ。要するに「その趣味を通じてお金が稼げるようになる可能性がある、もしくは新しい人と知り合う可能性があるもの」がつまり「生産する趣味」で、逆に「その趣味を通じてお金が稼げるようになる可能性がなく、新しい人と知り合う可能性のないもの」が「消費する趣味」となる。

ちなみにこの「新しい人と知り合う」というのは風俗嬢や店員、みたいな客としての関係ではなく、人脈的な意味合いでヨッピーは使っているみたいね。

 

これ、つまりはてブで記事読んで笑ってるだけなら「消費する趣味」だけど、ブログとして記事を書くなら「生産する趣味」になるってことなのね。世に対してアウトプットをしろと。

消費する趣味から生産する趣味に変えると、お金を稼げる可能性が出てくるだけでなく、もう一つメリットがあるらしい。

更に「生産型」に変える事のメリットをひとつ。「情報は発信する場所に集まる」ということだ。これはもう絶対に間違いない事実である。

たしかに。本文中にもあったけど、PC DEPOTの悪徳商売に関する情報が一番集まっていたのは、ネットの記事を消費している我々ではなく、渾身の記事を書いていたヨッピーに対してだったはず。

それを踏まえると、情報発信をすることで、その分野に対する専門性が高まり、更に付加価値のある情報を得るというサイクルが作れるということなのね。

この辺は、本の第二章の中でも個人的に特に参考になる部分だったし、ヨッピーの考えの根幹の部分なのかなと思った。発信をして、自分の周りに人を集めればお金はあとから付いてくると。

 

 

 

 

は?じゃあ記事書いてやろうじゃん!って思ったきっかけの文章

あったあった。私が手始めにこのブログ書こうと思ったきっかけとなる文章はこれだ。

ただし、ここでひとつだけ考えておいて欲しい事がある。「なりたい」という気持ちと「やりたい」という気持ちはまるで別物だ、という事だ。「お笑い芸人になりたい」のと「お笑いがやりたい」という事も同じく全然違う。例えば僕に向かってよく「ライターになりたいです!どうしたらなれますか!」みたいなことを言ってくる人がいて、そういう人に僕は必ず「じゃあ、書いたものを見せてください」って言うのですが、高確率で「まだ何もしてません!」とか言うわけです。完全に意味不明である。

へー、口だけ野郎ってそんなに多いんですね。知らなかった。そしてこの文章見て、自分が口だけ野郎と言われた気がしてムカついたので、手始めに書き始めてみたのがこのブログというわけだ。クオリティはともかく、これで口だけ野郎ではなくなったからな!

あっ、でも、私は顔出しライターみたいなのにはなりたくないからなあ。そうするとなんでこのブログ書いてるんだって話になってくるが、まあいいや。

 

 

ヨッピーが記事の出だしで必ず自分の写真を入れる理由

ヨッピーは自己ブランディングを意識して、記事の出だしで必ず自分の写真を入れているようだ。

ただし、大事なのはちゃんと「自分の実績を世に発信する事」だ。ハイクオリティな仕事をこなしつつ、「これが自分の仕事だ」と発信する事も同時に行わないといけない。自分の名前が世に出ない仕事ならクオリティの追求はあんまり意味がない。それを見た人が貴方にたどり着かないし、新しい仕事も生まれないからだ。

 

「クオリティ」と「発信」が両立していれば絶対にギャラはついてくる。僕が自分が書く記事は必ず「こんにちは。ヨッピーです」という出だしではじまり、自分の顔写真を入れる事にしている。自分の写真を毎回載せていると「ヨッピーさん太ったね」などと僕の体重の増減にまで気を配ってくれる人が現れるのは完全に大きなお世話だし、おまけに「汚いオッサンの顔なんて見たくない」なんて暴言を書き込まれたりするのだけど、これは「この記事は俺の作品だぞ」というのを知らしめる意図もあって続けているのである。だから、新しい仕事が増える。会社を辞めるのはそうなってからでもじゅうぶん間に合う。

 とのことで、なるほどね。自己ブランディングの一環として顔出しを毎回最初にやっているのね。

 

ただ、この辺は好みが分かれる部分なのかなと思った。ヨッピーは顔出しして自己ブランディングをしていって自分の価値を高めていったわけだけど、顔出しとか嫌な人も当然いるでしょ。私も記事で顔出しとか絶対嫌だわ。

 

あと、この記事冒頭で顔出しをする方法、ヨッピーが確立した方法だから、他の人がやると正直気持ち悪いんだよね、ネットで記事見てて毎回思うけど。

ヒカキンチルドレンならぬ、ヨッピーチルドレンみたいな奴らが顔出しでなんかやってるよ、気持ち悪い、って他の人の記事見てて毎回思うもの。

 

だから、自己ブランディングをしていくという方法論と、記事冒頭で顔出しするやり方に関しては他の誰もができる一般性のある方法だとは思わなかったな。

 

 

稼げずの谷にいるときにサラリーマンを辞めるとやりたくない仕事をするはめになるという話

ヨッピーの本「明日クビになっても大丈夫!」を読んでいて、現実的な提案だなと感じたのは副業から始めなさいという話。

サラリーマンを辞め、「さあ、好きな事で稼ぐぞ!」と意気込んだ人がまず最初に、そして必ず通るのが「稼げずの谷」である。サラリーマンを辞めた、好きな事で食おう、それはいいのだけど、最初から順調に稼げる事なんてまずないだろう。働いても働いても単価は上がらず、サラリーマン時代の貯金も徐々に減っていく。趣味のキャバクラも週に1回から月に1回に減る。スーパーの安売りの時間にやたらと詳しくなる。この「谷」は起業した誰もが通る道なのだ。期間の長い短いはあるにしろ、全員、必ず通る、と言ってもいいかもしれない。

イケダハヤトみたいな奴は、こういう稼げずの谷のリスクの責任も取らずに会社を辞めろみたいに煽っているのに対して、副業から始めてリスクを下げようと書いているヨッピーは良心的だなと思った。

結局稼げていないのに仕事を辞めてしまうと、アフィリエイト記事を書くしかなくなってしまうというのはたしかに不自由だと思う。私自身はアフィリエイトリンクは別に貼っても良いとは思うのだけど、そのために転職をひたすら煽る記事を書くしか選択肢がなくなるのもねえ、哀れだよねえ、と思ってしまうわ。